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もう推しとは言えない *番外編更新中

第8章 自覚した気持ち



ポチもどっちかといえば、やりたいこと、とかではなかったんじゃ…?


「…俺を反面教師にしとけよ。後悔してるわけじゃないけどさ、正直、数学科は本当に数学やりたいヤツの集まりだったから…自分の数学力の低さに泣きたくなったわ。」

「え、そんなにヤバいとこなんだ…。」


まぁ、わざわざ大学に行ってまで数学を極めようと思う人達の思考回路は私には到底理解出来ないけど。
そういうの、数学科だけではなさそう…物理とかも、そんな感じなのでは。


「…まぁ、楽しかったけどな。懐かしいな、いうて三年前まで俺、大学生だけど。」

「そっか…ポチって、私が入学すると同時に入ってきたんだもんね。」

「うん。だから、お前達の学年が…俺が初めて三年間ちゃんと見てきた学年。
吉岡のことは…ちゃんと最後まで見送ってやるよ。」


(…私のことだけじゃないんだろうけど、)

でも、嬉しい。
…ポチの中で、少しでも私の存在があるといいな。

アイスも食べ終わって…そろそろ、帰る時間になる。


「…そろそろ帰るか、吉岡。」

「うん…。」


離れたくない…そう言ったら、ポチはどうする?
バカ言うな、って笑うよね、きっと。

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