もう推しとは言えない *番外編更新中
第8章 自覚した気持ち
(どうしよう、私…)
ポチの…、ん?って感じの顔を見て、ぎゅうっと胸が締め付けられる。
今までだったら、可愛い!って悶えてたその表情が、今は…胸を苦しくさせるだけだなんて。
「…吉岡?どうした?」
「っあ…な、何でもない!」
「そう?」
「うん。」
…好き、かもしれない、この人のことが。
推し…なんて存在に、とどまりきれてない。
ただの推しだったら、ここまで…胸が苦しくなることなんて無いはずだ。
(あぁ、そっか…)
私、いつの間にか…ポチのこと、好きになってたんだ。推し、であるのと同時に…私は、ポチに恋、してるんだ…。
「しかし…あちぃな、本当。お前、熱中症には気を付けろよ?」
「うん。ポチこそ…熱い外の中ずっといるんだから、気をつけてね。」
「あぁ。…あと、今日終わりきらなかったとこ、また今度持ってこいよ。教えてやるから。」
「じゃあ…明日とかは?ダメ?」
明日も会いたい。
毎日…会いたい。
「明日な、了解。また今日みたいに迎えに来るから、しっぽ振って待ってろよ?」
「…しっぽ振って待ってるのは、ポチの方でしょ?」
「バーカ、俺は犬じゃねーよ。まぁ…お前といる時間、楽しくて飽きねぇけど。」