もう推しとは言えない *番外編更新中
第9章 マッサージ
「…結構混んでるな。」
「うん、有名な花火大会だし…。でも、本当に綺麗らしいよ!」
_翌日。
約束通り、ポチと…花火に来ている。
さっきまでは、数学を教えてもらってたけど、今は二人きりで花火。
…まるで恋人みたいに、手を繋いでる。
「お前、背ぇ小さいし、見える?」
「見えます〜!失礼なっ。」
「心配してやってんだろうが。…まぁ良いや、ここら辺で見るか。」
「うん。」
(ポチ、浴衣似合う…)
もしかしたらうちの生徒に出くわすかもしれねぇだろ、とお互い浴衣に着替えて…ポチはいつもはかけていないメガネもかけている。
私は、薄く化粧をしている。
「ねぇ、ポチ…こうしてると、恋人みたいだね。」
「あぁ。…お前、田口とこうして花火とか見に来たの?」
「え、睦人とはなかったかも…。」
「ふーん。」
そんな興味なさそうな声しなくても…聞いてきたのはポチなんだから。
と少し不満に思っていると、花火が何発か打ち上がる。
音楽が流れてきて…盛大なムードの元、この辺りでは一番規模が大きく有名な打ち上げ花火が行われた。
「すごい綺麗っ…!ね、ポチっ!」
「あぁ。」