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敵の騎士達がゆっくりと道を開けた。
そこへ進んでくる体格の良い男がいた。
表情はとても落ち着いており、むしろもう勝利したかのように口元はうっすらと笑みを浮かべていた。
そしてイドリスと伯爵の前で立ち止まった。
伯爵はすぐさま「貴様ーっ‼︎」そう言って飛び掛かろうとした。イドリスが止めに入った。

男は「相変わらずですね。あなたの負けだ。もうこの城は堕ちた。あなたのせいだ。そして我々の勝利だ。」
そう伯爵に向かって言い放った。

伯爵は剣の先をレオに向けた。レオは眼光を鋭くして
真っ直ぐ伯爵の顔を見た。そしてこう言った。
「もうよしましょうよ。貴方は自分勝手に多くの命を傷付け奪ってきた。そして私から友を理不尽にも奪い去った。
私は決して貴方を許さない。あの世で友に詫びるんだ。
きっと貴方の顔を見たがっている魂であふれかえっている事でしょう。」

その言葉にその場にいた騎士達は皆凍り付いた。
そしてレオは持っていた剣を持ち上げた。
「この剣はサムのです。この剣で貴方の首を取るとサムに誓った。そして貴方の大切な子供達も同じですよ」
そう言ったレオは持っていたサムの剣でアーサーの剣を振り払いその剣を上から振りかざした。

だが剣を受け止めた者がいた。イドリスだった。
イドリスは「お待ちください、レオ様。」
レオの力は怒りと哀しみからか凄まじく感じられた。
だがイドリスにも底力があった。
不安そうに周りが見つめてくる視線こそがイドリスに力を与えた。
レオを振り払ったイドリス。大変驚いた様子のレオ。
そしてイドリスの顔をじっと見た。
イドリスとの戦いに突入した。周りはその様子をじっと見ていた。
そしてイドリスにはカリスマ性があった。剣を交えて早々にレオは気が付いた。そしてこう思った。

味方だったならばどれだけ良かったのか。そして若い騎士であるイドリスには未来もある。
そんな奴がこんな伯爵の為に動いているなんて勿体無く残念な気もした。「お前なような優秀な騎士が、こんな奴のために死ぬなんて残念だよ。」

そう言われたイドリスはこう返した。
「舐めないでくださいね？俺にはこいつらを守り率いて行く
義務があります。ここで死にわけにはいかない。」

そう言うとイドリスの反撃が始まった。
イドリスの得意な素早く相手の弱点をつく攻撃が始まった。