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イドリスの物語

第6章 激震

ついに扉が破られた‼︎
ワーっと流れ込む騎士達、狭い空間での闘いとなった。
伯爵はさすがだ。剣の腕は一流だ。伯爵の健闘ぶりに目を見張った。次から次と敵を倒して行く。
そして、イドリス達も負けていない。
経験は確かに劣るがカリスマ性、そして伸び代があった。
素早い動きで相手に立ち向かう。
そして鋭い矢の音が他の誰よりも高く素早くそして軽やかな者がいた。こんな音は聞いたことがない。
相手が剣を振る前にもう勝負がつく。
なんと言うことだ。

その者はなんと隣にいるミカエルだった。息を呑んだ。
こんな奴がいるのかと…動きも素早くそして目で追うのも難しいくらい素早い。
なるほどな。やはり只者じゃない。考えていると不意をつかれたイドリス。そこへジョシュアが助けに入る。
「また助けられたな」苦笑いのイドリス。
「しっかりして下さいよイドリス様、相手はだいぶ弱ってきましたね。しかし伯爵の腕は落ちていませんね。伝説は本物でしたね」
確かにそうだ。我が父と数々の勝利を挙げた伯爵はいまだに伝説と言われている。
見事な戦いぶりだ。だが何処か違和感がある。
何といったらいいのか。寂しげで辛そうに見えて来る。
かつての仲間と闘うのはやはり辛いはずだ。
共に戦地で闘ってきんだ。今は敵となってしまったんだ。
俺だったら辛い。仲間同士殺し合うなんて。
暴君もやはり人としての感情を捨ててはいない様だ。
しばらくで、敵がパタリと手を止めた。
敵が道を開けるとこちらに向かってくる一人の男がいた。


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