神の口笛
第9章 9
脳天を突き刺すような快感を伴い、何度も気を失いそうになった。
「グレイ…っ…あの…っ…汚しちゃっ、んあぁっ――」
「いい。そのまま感じていろ。」
もう、これ以上はもちそうにない。
上体をあげてピストンを速めると、エマはまた女の鳴き声を発した。
「んっ…グレイ…私だけとしてよ…他の人となんて…キスだってしないで…あぁ――っ」
「二度と…しないと誓う。…――はぁっ…、エマ…もう…――」
何度か勢いよくピストンした後で、彼女の一番奥に放出した。
ビクンビクンと中で跳ね上がるペニスから、グレイの濃い精液が注がれる感覚に、エマの蜜壺も応えるように収縮する。
…
エマからつぎつぎに溢れ出てきた白い体液を拭い、少しの血液がついていることに気付く。
「血が出たの?」
当の本人はキョトンとしていた。
「あぁ。初めてだと出る事もあるが…痛かったか?」
「うーん…初めはすっごく痛かった。ペニスがあんなに大きいと思わなかった」
「今は平気だな?」
「うん。おもらししちゃって…ごめんなさい」
エマは幼い頃の孤児院での様子を思い出していた。
布団にシミができていた朝は、ぐっしょり濡れてしまったパンツも一緒にグレイが洗濯をしてくれた。
「これは小便じゃない。大丈夫だ」
シーツを取り外しながらグレイが答える。
「そうなの?」
「あぁ。気にしないで眠れ。」
エマを寝かし付けてから、新しいシーツを取りにリネン室へ向かう。
ついに抱いてしまった。
少しの罪悪感と、エマを自分のものにしたかのような多幸感とが交互に押し寄せた。
俺は今、どんな顔をしているのだろう…―――