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甘い蜜は今日もどこかで

第6章 【キミの隣に居たい】






何で私なのかな?という思いは常にあった。
でも選ばれたからには爪痕残すくらい必死にしがみついて、求められる以上の仕事をしたいってそう思うようになった。
それは、DAiKIさんのお陰でもある。




常に私を気遣ってくれて優しい雰囲気で包んでくれていたから。
撮影中はずっと恋人同士であったことが何の違和感もなくスムーズにカメラの前に立てた。
緊張をなくしてくれた。
本当だったら勘違いしてしまうくらい全力で愛してもらえたような気がする。




「つーちゃんじゃなきゃ、ここまで完璧なものが出来なかったと思う」




ヘアメイクさんが駆け寄って来てくれてティッシュで涙を拭いてくれる。
自分でも拭いてずっと頭を下げていた。
花束を持ってチームUNEEDの元へ。




「完璧だったわよ、お疲れ様、良い仕事したじゃない」と吉原さんも褒めてくれた。
サッとショールを羽織らせてくれたジロウも「お疲れ様でした」って言ってくれて頭を撫でられた。




打ち上げは、撮影で使わせてもらったペンションの庭で用意してもらったバーベキューと鉄板焼き。
シェフが目の前で焼いてくれるやつ。
それならお昼も抑えめにしないと。
朝はスムージーだけだったからちょっとお腹空いてる。




DAiKIさん側で差し入れとして軽食が配られたのでそれを頂くことに。




「ていうかもうホテル帰らないで、打ち上げまでの時間も一緒に居たい……良いよね?吉原さん」




直に交渉するDAiKIさんは本当に行動力に長けてる人だ。
仕方ないわね、みたいな顔で「どうぞどうぞ」と渡される。




「でも、規約は守ってくださいよ?」って付け足したのは他の誰でもないジロウだ。
「わかってますよ、感謝します」と2人に頭を下げて「つーちゃん行こう」って手を引っ張られた。




すぐ近くの浜辺のテラス席にて2人きり。




「最後には此処に来てちゃんと2人で話したかった」




「えっと、2人きりはやっぱ緊張しちゃいますね」




「敬語に戻ってるし」




「え、だってもう終わったじゃないですか、そりゃ戻りますよ」




いつまでも対等に接していたら吉原さんに怒られちゃう。
会社の規定なんで……と言ったら渋々納得してくれた。
でもすぐにテーブルの上で手を重ねてくる。









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