甘い蜜は今日もどこかで
第3章 【どんなに焦がれても】
「言わなかったから罰なの?」
「……………そういうことにしておきます」
「アハハ、ジロウ可愛い、照れてる」
「照れてません」
「んふふ、かーわい」
「もうちゃんと事前に教えてくださいね」
「わかったよ」と今度はジロウにタオルを被せて私からキスのお返し。
わかってる、触れるだけのキス。
ん?物足りないないの?
ちょっと口開いてる。
下唇だけ甘噛みしたりして。
もっと欲しいの?仕方ないな。
ちょっとだけだよ?
「ん………っ」
更にタオルで目を隠して舌を入れる。
良いの…?余裕なくなっちゃうよ…?
手加減出来なくなるからね…?
ジロウが止めてね。
歯列裏まで這わせてしまう、
ねぇ、もう固くなってるよ?
見ただけでわかっちゃう。
触れないようにしてるけど、ごめん、もう限界かも。
唇を離して頭をくっつけた。
鼻から下しか見えていないジロウは。
「本当は寂しかったっす、僕に言うの、後回しにされて」
「うん………それで?引っ掛かってること全部吐き出して…?」
「僕の方が椿さんのこと知ってるのに……いきなり出てきた男に取られたくはありません」
「うん……」
「こんなこと言える立場じゃないですけど、僕、椿さんのことで答えれないことないと思います」
「んふふ、そうなんだ?」
「軽蔑しないで欲しいんですけど、スリーサイズだってわかりますよ」
「アハハ、いつ測った!?」
「服のサイズも靴のサイズも……それくらい椿さんのこと見てきたんすよ」
「うん、感謝してるよ」
「もう二度と僕への報告怠らないでください」
「はい、承知しました」
「も、もう離れてもらって良いですか?色々と…ヤバいので」
「もうギブアップ?残念…」
パッと離れてタオルも剥ぎ取った。
真っ赤に染まる頬と背を向ける仕草。
今、ヤバいもんね。
頑張って抑えてください。
「大丈夫?」って近付いたら「こ、来ないで」とか慌ててて笑い転げてしまったよ。
この、どっちつかずな関係も心地良いね。
いつかは歯止め効かなくなりそうだけどジロウだから楽しんでる。