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スミカ

第1章 105号室

引っ越し作業が終わると、母親から電話がかかってきた。


『あんた、セールスとか来ても断りなさいよ』

「わかってるって。てか、めんどくせぇから、そんなの相手にしねぇし」


全くいつまでたっても子供扱いだ。
まあ、初めての一人暮らしだから親としては心配なのだろうが…。


ピンポーン


早速呼び鈴が鳴った。
誰だろう…まだ引っ越しした場所を友人には教えてない。
兄貴と父親は仕事だし、母親は今電話で繋がってるし…。


「誰か来た」

『あら…誰かしら。隣の部屋の人かもしれないから出てみなさい』


俺はめんどくせぇと思ったが、挨拶はしておいた方がいいだろうと、玄関のドアを開けた。


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