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恋人は社長令嬢

第8章 異性の友達ってヤツ

「手伝うよ。」

聞きなれた声だ。

「ありがとう、瞬。」

振り向いた那々香は、息が止まった。

そこにいたのは、至だったからだ。

「あっ、ごめんなさい…」

那々香を余所に、至は隣の席に、ストンと座る。

「至と瞬って、声が似てるのね。びっくりしちゃった!」

那々香は、すぐにごまかした。

「一度も言われた事ないけど。」

「そう…だよね…」

案の定、至は不機嫌になった。

「本当に、ごめんなさい。ほら!こういう時に助けてくれるのって、瞬の方だから!」

至はその瞬間、那々香を射るように見た。

「こういう時って?」

「至……」

「那々香が、困ってる時?」

那々香は、その目線に耐えられなかった。

「俺は那々香を、助けてあげられてないか?」

「やめて。そういう話は。」

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