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紗南は首を横に振ってる。



「……嫌ぃじゃなぃょ…。

…だって…紗南が…ｸﾞｽﾞ…悪ぃ…」



泣き喚いて枯れた声で言ってくれた。



嬉しくて、さらにぎゅっと抱きしめてしまう。



「ﾊﾊｯ……良かった、ありがとう。

栞もさ、家の事情があるみたいだから。

ちゃんと話したから、栞のことも嫌いにならないであげて？」




「…ぅん。

…大丈夫だょ。」



するとまたシクシクと泣き出したから、俺たちはそのまま落ち着くまで過ごした。