大人の俺と子どもの私
第5章 施設の子
それから2年、紗南は小6になった。
「紗南ー、
いい加減起きろー。
何回言わせんのー。」
いつまでも起きない紗南の部屋にズカズカと入ってきては、毛布を剥がす。
「んんん!」
まだベッドから出たくなくて丸まってると、
ペシッ!
「やぁだ!」
軽くお尻を叩かれた。
「フッ、嫌なら早く起きろ。
朝ご飯。」
そんな紗南を見て笑ってる。
2年経った今も変わらず紗南の保護者で、紗南の好きな人。
「ボーッとしちゃって、寝ぼけてんの?
ほらリビング行くよ。」
そう言って布団の上でうずくまってる紗南の手を取りリビングに連れてってくれるのも毎日の日課になってた。