大人の俺と子どもの私
第5章 施設の子
「おい」
またヒートアップした言い争いも秋ちゃんの一声で静まる。
「唯はもう自分の分食べ終わったんだから人の取るのやめなさい。
聞いたからとかじゃなくてこれは紗南のご飯。
分かった?」
「…はい。」
いじけながらも返事をする唯。
「紗南もすぐ手出すなって言ってるよな?」
「だって…」
「だってじゃない。
朝からしょうもない喧嘩するな。」
「…」
紗南は納得できなくていじけた顔して固まってる。
「紗南?返事は?」
「…はぃ。」
「あと口悪すぎ。気をつけなさい。」
「…はぃ。」
「ん。じゃあ早く準備しな。
唯も、遅刻するぞ。」