大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
「…みんなと楽しく過ごしたい……。
一緒に遊んだり、一緒にご飯食べながら、楽しくしたい。」
小さな声で、少し震えながらも答えた。
「うん、そうだよね。
よかった、前向きな気持ちが聞けて。」
俯いてる紗南の手の甲に一つ、涙が落ちた。
きっと今まで、この気持ちを言える人がいなかったのかもしれない。
よく、勇気を出して口に出してくれた。
しかもこの初対面の俺に。
涙を拭ってる紗南の頭を優しくぽんぽんっとしながら、続ける。
「…じゃあさー、まずは俺と友達になるところから始めてみない?」