大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
「職員の人たちのことおばさんって言ったの、内緒な?」
「フフッ…えぇ〜…どうしようかなー。」
そんなことかよ。みたいに小さく笑ってる。
うん、紗南は笑った顔の方が100倍可愛い。
「…言ったらどうする?」
なんて一丁前に言ってくるもんだから、
「言ったら〜そうだなぁ、、くすぐりの刑だー!」
って言って、脇腹こしょこしょしてやった。
「ウワァ!アハハハ、ちょっと!やめてぇよぉ!!」
なんて言ってたくさん笑って。
少し心を開いてくれた、今日この瞬間を一生忘れないために、俺は隣で、まだぎこちなく、それでも笑ってくれてる紗南の顔をこの目に焼き付けた。
これからもっともっと笑えばいい。
世の中は楽しいことばかりだ。
俺がたくさん教えてやるから。
この笑顔を絶やさないように、俺も紗南もこれから一緒に成長していこう。と心に誓った。