大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
「さ、そろそろ帰ろっか。さすがに夜ご飯の時間まずいよな」
立ち上がった俺に、紗南が声をかける。
「あ、あの…」
「んー?」
気の抜けた返事をして振り返ると、
「なんて呼んだら、いいですか…」
と言われた。
「あれ、、そうだよね。ちゃんと自己紹介してなかったよね。
秋山陸です。よろしくお願いします。」
なんて言って、ペコっとお辞儀した。
「あ、、上田紗南です。」
「ハハッ、知ってるよ。」
俺に合わせて紗南も、立ち上がってお辞儀までしてくるもんだから、つい笑ってしまった。