大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
帰宅すると、
「秋!遅かったな!!」
外出する前にはいなかった1人の男性。
「あれ?今日はいないんだと思ってた。」
山口透真。
俺の2個上の先輩であり幼馴染、ぐっちって呼んでる。
実家が近所で古い仲だ。
ここも彼が勧めてくれた。
「俺、今日夜勤だからこの時間から出勤なんだよ。」
と言いながら目線はどんどん紗南の方へずれていく。
「…紗南。お前、今日も外ふらふらしてたんだってな?門限は?何時だっけ?」
紗南は繋いでる手を一度ギュッとしながら、
俯いたまま、
「…17時。」
と答えた。