大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
「今何時だ?」
ぐっちの声のトーンはどんどん低くなってく。
紗南は小窓のところに置いてある時計を見て、
「18時…20分…」
やっぱり門限過ぎてた…。
しかもめっちゃ過ぎてた…。
これはまずい。と思って、流石に救いの手を差し伸べる。
「あ。いやでも、ごめん!
俺が話し込んじゃったのがいけないんだよ!
17時半くらいにはもう見つけてて、それから少し話してたんだよ。ね?
だからちょっと帰るのが遅くなっちゃった。
ごめん、俺のせいだから」
ちょっと早口になりながらも必死に経緯を説明したが、
「関係ないだろ。秋は今日初めてきて門限とか知らなかっただろうし。
秋がここを出たのもすでに17時過ぎてたって聞いてるぞ?
門限守れてないお前が悪いよな?!!!
おい、聞いてんのかよ!!!!」
俺のフォローも虚しく、ぐっちは玄関で大声をあげて怒鳴った。