大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
花の家に帰ると、莉子ちゃんと他の子どもたちはもうご飯を食べていた。
俺たちがリビングに顔を出すと、莉子ちゃんが近づいてきた。
「あっ!あのっ!遅くなってすみませんでした!!
会ってから結構話し込んでしまって、遅くなってしまいました!!」
そう言ってバッと頭を下げる。
莉子ちゃんは何も言わない。
紗南のチラッと見ると、紗南もこちらを見てきたから、目で合図した。
(ほら、謝って)
伝わったのか、
「…ごめんなさい」
同じように頭を下げて小さな声でボソッと言った。