大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
「…今日はもう寝ようか。ほら。」
帰ってきてからずっと泣いてたのか、
泣き疲れた顔をしている紗南は今にも寝そうな雰囲気だった。
下ろしてベッドに寝かせてあげようと、脇に手を入れようとすると
後ろに手を回して、降ろすな。と言わんばかりにしがみついてきた。
「紗南、眠そうだよ?」
「グズ…やぁだぁ…」
「寝ない?」
「ムゥ…このまま……」
泣きべそかきながらも甘えてくれてるようで、つい嬉しくなる。
「フフッ、いいよ。」
「…ありがとっ…」
ぎゅっとしがみついてくる紗南のゆっくり背中を叩きながら、特に話もせずゆったりした時間を過ごした。