大人の俺と子どもの私
第1章 出会い
「良かったよ。
俺なんかが少しでもここで安心できる存在になれるんだったら。」
「ハッ、まぁ、これからだろ。まだ1日目なんだから。」
まだまだ甘ちゃんな俺に鼻で笑いながらもしっかり俺の目を見て言う。
「頼んだぞ、こいつのこと。
秋なら任せられるって思ってるから。」
それに俺は膝の上に乗る小さな体をぎゅっと抱きしめて、「うん」と言った。
ぐっちはうんうん。と何回か頷いて、
「そろそろ本当に帰らないと、明日からもたないぞ。」
立ち上がりながら言う。
「そうだね。」
紗南を起こさないようにゆっくり寝かして、
やっと俺は自分の家に帰る事にした。
「おやすみ、また明日。」