大人の俺と子どもの私
第2章 新学期
結局紗南は途中で帰ってくる事なく、俺は割とゆっくりした時間を過ごした。
下校時間に合わせてリビングでPC作業をしていると、
「ただいまー。」
思ってたより元気そうな声で紗南が帰ってきた。
「おかえりー。
手、洗ってきな?」
そういうとランドセルを背負ったまま洗面所に消えていった。
「今日ね、栞ちゃんと似てるね。って言われた。」
戻ってきた紗南は部屋に荷物を置きに行きもせず、リビングの俺の元にくる。
どうしてもすぐ話したいみたい。
「へえー、よかったじゃん?
……栞ちゃんって誰?」