大人の俺と子どもの私
第2章 新学期
ゆっくり話を聞こうかと、キッチンにおやつを取りに行く。
するとその後ろをついてきながら、さらに話し続ける。
唯は先に帰ってきて友達と外に遊びに行ったし、悠斗・紫音も他の子と先生たちと一緒に公園に遊びに行った。
誰もいなくて気持ちが軽いのか、学校でよほどいい事があったのか、いつもよりリビングでもリラックスしてるように見える。
「内田栞ちゃんだよ。出席番号隣なんだよ。」
どうやら紗南と同じクラスの子らしい。
春休みだったから聞く機会も特になかったが、紗南から初めて、ここじゃない子の話を聞いた。
「初めて一緒のクラスになったんだけどね、たくさん話してくれた。
トイレ一緒にいてくれた。」
おやつをテーブルに置くと、紗南も背負ってたランドセルを床に放り投げて椅子に座る。
左利きの紗南は一番左の席だ。
その隣が俺の席。
「ちょっと。
おやつ食べたらちゃんと片付けてよ?」
「うん。」
返事はしてるけどおやつ選びに夢中だ。