大人の俺と子どもの私
第3章 栞の家族
夜ご飯が終わって、紗南の様子を伺いに行くと、小さいけど中から2人の声がする。
まさかと思いそーっとドアを開けると、
「でね、桃ちゃんがボール蹴ったら、それが外に出ちゃって、そのタイミングで車が横切って……やばい!紗南!」
「え?」
急に話をやめ、バッと下を向く栞ちゃん。
ゆっくりドアの方を見ると、秋ちゃんが腕組みながらドアに寄りかかってた。
「…これはどういうこと?」
いつになく低い声で言われる。
完全に怒ってる…。
「…」
2人とも返答に困ってると、
「俺、だいぶ前に帰り支度しなさい。って言ったはずなんだけど?」
「…ごめんなさい。。」
栞ちゃんが小さい声で謝った。