👠ツンデレラ👠
第1章 ツンデレラ
ああ、クソ何故こんなに見つからないんだ。
王子は、一人頭を抱えておりました。
国中に令達したのにも関わらず、探し求めている女性が一向に見つかる気配が無いのです。
その時、丁度皇子の書斎の扉をトントンとノックする音が聞こえてきました。
「入れ」と一言王子が許可を出すと、控えめなノックの後に、紺の燕尾服に身を包んだ執事が部屋に入ってきました。
「チャールズか。何の用だ?」
やや機嫌の悪い口調で訪ねる王子に対し、チャールズと呼ばれた執事は、頭を下げると、徐に口を開き始めました。
「王子、私はずっと隠し事をしておりました。お許し下さい。」
そう言うや否や、チャールズはポケットから杖を取り出すと、呪文を唱えます。