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👠ツンデレラ👠

第1章 ツンデレラ


「チャ、チャールズ...俺は夢でも見ているのか?」

先程までバトラーだった男が、特徴的な大きな黒の帽子と衣装を身に纏い、まるで魔法使いのような姿に様変わりしたからです。

「いえ、夢ではありません。私、チャールズは魔法使いである身の上を隠して、執事として今日までお使えしておりました。」

淡々と答える魔法使いチャールズはそう言うと妖しげな鏡を取り出し、ある一人の男を映し出しました。その男とは、王子が気がかりだった燕尾服を着た端正な男でした。

「この方が、貴方が探し求めている女性です。」

「な!コイツ女だったのか!?」

「王子、落ち着いてください。この方は、れっきとした男性です。屋根裏部屋で一人佇んでいた彼に、私が魔法の薬を与え、彼は一時的に女性となりました。そして混乱状態に陥っている彼女を無理矢理馬車に乗せて舞踏会まで連れていったです。」

「半ば強引じゃねえか。」

「薬は深夜を過ぎると効き目が失われます。ツンデレの彼に合わせていたら、舞踏会が終わってしまうので、やむを得なく。」


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