👠ツンデレラ👠
第1章 ツンデレラ
「なるほどな...。そうか、アイツは男だったのか。」
「王子は、彼と本気で結婚を考えておられますか?」
「そりゃあな。ただ世継ぎの問題がある。」
途端に眉間の皺を濃くした王子に対し、リチャードは深海のような幻想的な色合いの液体が入った小瓶を見せ、指を指すと口をゆっくりと開き始めた。
「これは永遠に女性の姿を保つ薬、言わば性転換の薬です。これを彼に与える事で、その問題は解消されるでしょう。」
「マジかよ!そんなアッサリ片付く問題だったのか?!」
「ただし、これは彼の一生を左右する事です。この薬を飲むかどうかは、他ならぬ彼に決めさせるべきです。間違っても、無理矢理飲ませる事の無いように。」
「約束ですよ?」そう念を押す魔法使いリチャードから、王子は運命を決める性転換の薬を受け取ったのだった。