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義娘のつぼみ〜背徳の誘い〜

第2章 憧れの家族

 茉由は自分の身長ほどもある巨大なサメを抱きかかえながら、ヨロヨロと自分の部屋へ向かった。

「いつの間にか仲良くなっちゃったわね」

 思惑どおりの結果に、理恵の表情は満足気だった。

「うん。今日は二人きりで出掛けて正解でした――じゃない、正解だったよ」

 武司も茉由に倣(なら)って敬語なしに挑戦した。

「フフ、まだちょっとぎこちないけど、ひとまず合格ね」


 その日の夜は、家族で茉由の誕生日を祝った。

 これまで塞ぎ込んでいたのが、まるで嘘だったかのように、茉由も終始笑顔だった。

 ようやく家族になれた――武司は実感していた。

 これから先も妻の理恵を、娘の茉由を、自分が幸せにするのだ。彼は決意を新たにした。

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