狂愛の巣窟〜crossing of love〜
第2章 【愛しき人たちに囲まれて幸せなのです…】
少し、焦り気味では?
顔を見た途端、欲情されるのですね。
休憩もさせてもらえません。
「何処に行ってたんですか?」
玄関まで入られて鍵を閉めてくる。
普通なら恐怖ものですけどね。
怒ってます?目が怖いです。
放置し過ぎたかしら。
最近奥さまとはシてないの?
近過ぎてある程度の距離は取るべきだとこちらからは一切アクションを起こさないでいたのに。
「あの、もう少し待てません?」なんて言うのは地雷ですよね。
プライドの高いあなただけど、待てずに後先考えずに行動を起こした。
肩を持たれてトン…と優しく壁側に立たされる。
爆発したいのを必死に堪えてる感じ。
「どうして放置するんです?触れたいと思うのは私だけですか?」
噛み締めるように一言一言話してる。
「いえ、試してたって言ったら怒りますか?あなたがどれだけ待てるのか……こうして我慢出来ずにいつ押し倒してくるのか……2週間ってところですね、もう少しドンと構えて頂かないと……お隣ですし早々野獣になられては困ります……」
「あなたがそうしたんだ……あなたが……私を熱くして…っ」
その先は言わせない。
人差し指で唇を押して黙らせる。
「知ってる、だからもう何も言わないで……ごめんなさい、意地悪して」
「お仕置きしても…?」
「ダメ、今は待てなかった中岸さんがお仕置きされる番です」
「お仕置きしてくれるんですか…?」
「あまり時間もないので明日、また来てもらえますか?」
「え……?まだ放置すると?」
「明日は時間空けてますから」
ね?とアイコンタクトすると渋々理解してくれたようです。
私だって中途半端に火照らされるのは好きじゃありません。
主人も時々定時で帰って来る時もあるので夕飯は作り終えて待っておきたいですから。
たまに不意をつかれて早めに帰宅する日もあります。
「良い子にしてた?」なんてまるで子供や飼い猫に聞くみたいな言い草で私の髪を撫でる亨さん。
一緒にお風呂へ入り、身体の隅々までチェックされるのが堪らなく興奮するのです。
夫婦だけになってからは家族の目を気にすることもないので。