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狂愛の巣窟〜crossing of love〜

第7章 【あなただけのモノになれたら幸せなのです…】






「凄く嬉しいよ?愛してくれてありがとう」




「親父とシちゃうでしょ?僕がダメって言っても十和子さんは親父に襲われたら抗えないはずだ」




あぁ、言いたくないのに言わせてごめん。
泣きそうになるから起き上がる。
慌てないで、帰ったりしないから。
鼻の奥がツンとして必死に止めてるだけだから。




「僕の前でシちゃうの…?」




亨さんなら、そうするかも知れない。
一颯くんもわかってる。
目を逸らす私にまた抱きついてきて。




「でも、帰った後に親父に執拗な上書きセックスされる十和子さんを想像するのはもっと嫌だ…!」




最近の亨さんはお仕置きセックスするのが生き甲斐みたいなところもある。
それに酔いしれてる私はもっと下衆ね。




「じゃ、やめる…?」




「え………なにを?」




帰るのを?
それとも一緒の家に帰って3Pする?
もしくは、この関係事態を?
やめれる?
苦しいなら、そこには愛なんてないよ。




答える前に「嫌だ」と縋り付く。
「居なくならないで」と泣きながら。
ズブズブの沼だ。
どうしたら這い上がれるの?
まともな愛を与えてあげるのは不可能なの?




「ごめんね、やめない、やめない」




「……本当?嫌いになってない?」




「うん、でも今日のは牽制し過ぎかも」




「え…?」




「ほら、コレ……着け過ぎだもん、絶対」




キスマーク見たら亨さんの目の色変わるのに。
わかってて着けさせた私が一番悪いけど。




「じゃ、やっぱり僕も一緒に帰る、僕が説明する」




「ダメよ、逆撫でしちゃ」




「じゃなきゃ、ずっと親父の次じゃないか……」




「それじゃダメなの?」




わかってる、酷いこと言ってるって。
最初から、亨さんしか選ばないって伝えてたはずなんだけど、フラフラする私が一番いけないんだってわかってて開き直るのは最低ね。




「何でそうやっていつも自分が悪者になろうとするの?十和子さんが言ってくれた好きを最後まで信じるよ?今は複雑な関係だからどうしようもないけど、親父だけの十和子さんじゃないって僕からも言いたいよ……」








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