狂愛の巣窟〜crossing of love〜
第8章 【戻れないのなら一緒に乗り越えてください…】
全然手離してくれないね。
ギュッと握り返すと不安そうに見てくる。
だから「大丈夫だよ、本当は私も嬉しかったよ」って安心させる。
そしたら「ホテル行きたい」顔するの。
「ダメだよ、今日は早く帰らないと」
「朝だけじゃ足りない……」
「今日いっぱいシたよ…?」
「朝の十和子さん……ヤバかったもん」
誰も見えない死角に行って硬くなったのを上から触らせてくる。
ダメ、と退けるも掴んでまた。
そして耳元で。
「お仕置きされてる十和子さん……また見たい、かも」
あぁ……とうとうこちら側に引きずり込んでしまった。
髪を撫でて額にキスされて甘い声で誘惑する。
「綺麗だった……あの時の十和子さんも」
お義父さまやお義兄さまにお仕置きされていた時のこと?
「気を失ってから親父にめちゃくちゃ犯されてる十和子さん、眠ってるはずなのにイキまくってたよ?」
やめて…………思い出しちゃう。
下半身が疼いてきちゃうじゃない。
「すっごい締め付けてきたんだって、親父と一緒に僕も射精しちゃった、エロいんだもん、十和子さん」
私の手を持って触らせてくる。
カチカチだよ、どうするの?
「ホテル行こう?」って誘惑しないで。
その目に弱いの。
それ、隠せるの?
「次はちゃんと十和子さんイかせたい」
その言葉が引き金となり、また許してしまった。
ごめんね、ラブホじゃなくて。
シティーホテルに部屋を借りる私に余計、歳の差を感じさせちゃうかしら。
安っぽいところじゃ嫌なの。
景色を一望出来るスイートルームで抱かれたいじゃない。
夜だともっと最高なんだろうけど、今はこれで許してね。
誰にも邪魔されずに、誰も見てないところで思いきり箍を外す。
綺麗な景色が大きな窓から見えるビューバスルームでジャグジーを楽しみながら汗を流し、ベッドで抱かれる。
丁寧に愛撫されて気が遠くなるほど腰を振った。
シーツ、潮吹いて汚しちゃってごめんなさい。
帰りにメモを添えてチェックアウトする。
「凄く気持ち良かった……ありがとう、一颯くん」
エレベーターでそう言うと嬉しそうに笑う。