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狂愛の巣窟〜crossing of love〜

第3章 【何度出逢っても墜ちてしまう…】






「帰らないと………亨さんが帰ってくるから」




本当は残業で遅くなるってメッセージが来ていた。
でも私は一颯くんに対していつもと変わらない時間しか与えない。
焦がれて欲しいから。
物足りない想いに駆られて我慢を虐げる。




「親父と今日はシないで」




「うん………わかった」




ギュッと抱き締められて耳元で「嘘つき」って言われた。
背中を擦ってあげて「ごめん」と謝ったら私に幻滅してくれる…?
その約束は守れない気がする。
誰かに抱かれた私を隅々までチェックし、抱き潰すのが亨さんの狙いだから。





名残惜しくバイバイして車を走らせる。
真っ直ぐ家路を急ぐ。
亨さんの為に……ではなく、もう1通来ていたメッセージの相手に心を踊らせて。
駆けつけた時には玄関の前に座り込んでいた。




「ごめんなさい、真さん」




「いや、今着いたところだよ、こっちこそ急がせたみたいでごめんね」




急いで鍵を開け入っていく。
鍵を閉めたら靴を脱ごうとした真さんの袖口を引っ張ってしまう。
私から唇を押し当てるのはふしだらですか…?




「お店、お休みですもんね」




「あぁ、でも親父抜きで会いたかった」




「わかってます、来てくれるって信じてた…」




踵を上げて再び重ねる唇。
まだ一歩も上がらせていません。
それなのにもう欲しくて、2人きりだとか夢のようで火照ってしまう。
アソコがすぐに疼きます。




「十和子……ベッドで抱きたい」




夫婦だけの寝室なのに、真さんはよく私をそこで抱き潰す。
手を引いて階段を登る。




「亨、残業だろ?」




「はい……」




きっと、真さんが時間を作るよう亨さんに言ったのね。
だとしたら、抱き終わるまで帰って来ないはずです。
今からはドキドキハラハラのスリルではなく、完全なる背徳感に酔いしれても良いんですね。




寝室のドアを開けた瞬間、ベッドまでものの数秒で押し倒されていました。




「あれからずっと、十和子が足りないんだ……どうすれば良い?」




私の上で四つん這いになる真さんのベルトを外してあげる。
妖艶な視線で煽ってもあげます。
どうすれば良いかなんて、答えはひとつでしょう?







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