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狂愛の巣窟〜crossing of love〜

第5章 【溺れる覚悟はありますか…】






抵抗してようやく一颯くんのキスから逃れられたと思っていたのに。
「僕だって引き下がりません」と今度は理久くんから優しいキスをされた。
啄むような久しぶりのキスに私から膝の上に手を置いてしまう。
ぎこちなく指を絡ませてきて引っ込んじゃう舌を追いかけた。




「ねぇ、何キスに応えてんの?俺とシてたでしょ?目の前で浮気とかやめてよ」




肩を持たれ引き離される。
「帰れよ」って怒る一颯くんを頭の上でベルトを使って両手を縛りつけたのは私。




「ねぇ、何でそういうこと言うの?喧嘩とか私が一番萎えるの知っててするの?私のことよく知ってるフリするけど白けちゃうからやめてくれる?」




笑顔でそう言うと怒ってるってよく伝わる。
素直に謝ってくるなら最初からしないこと。
少し倒してソファーの脚にベルトを巻き付けた。
これで動けなくなったね。




「おいで」と理久くんの手を引いて向かいのソファーへと移った。
暫く一颯くんは放置します。




「どうしたの?有紗に内緒で来たの?」




「はい……まぁ、でもすぐにバレるんだろうけど」




「アハハ、そうだね、抜かりないもんね」




「それでも会いたかったです……もうずっと、お正月の時の十和子さんが頭から離れなくて」




手を握り訴えてくる娘の彼氏。
「触るんじゃねぇよ!」とまだまだ煩い一颯くんには近寄ってその場で脱いだショーツをお口の中に入れてあげる。
モゴモゴしてる頬を撫でて。
「静かにしてて」と黙らせる。




どうかしてるって思われたって構わない。
私に助けを求めてきたのなら力になってあげなきゃって思うじゃない?




「離れなくて……会いに来ちゃったんだ?」




「はい……有紗に怒られる覚悟で来たけど、やっぱり十和子さん目の前にしたら想いが溢れちゃって……邪魔してすみません」




「電話、出れなくてごめんね、マナーモードになってて」




「いえ、会えたからそんなの良いです」




純粋に想いをぶつけてきてくれるのは嬉しい。
皆に対してもそうだけど
「私ね、勇気を持って正直に伝えてくれるその姿勢が好きなんだよ」
別れて…とか、一番に考えて…とかは無理だけどなるべく応えてあげたいと思う。








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