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主治医との結婚生活

第32章 奏真と義母

「そう言えば 奏真くんも家事が苦手
なんですってね! 私と一緒ね(笑)」

梓さんが ニコッと 笑った。

かわ…っ


え?

自分の気持ちに 直ぐ様 疑問を抱いた。

今… 可愛い とか思った?

明花ちゃんの お母さんに?!
オカシイだろ 自分!!!

篠宮の血の仕業か ? 
自分の血が… そう思わせるのか ?!
 

焦った。



それから 
近くのカフェに移動して 梓さんと話す。

きれいに仕上げてあるネイル
タイトなミニスカートにブーツ…

そのスタイルが また 似合う…

普通に きれいな人だ…
絶対50歳じゃないだろ…!

改めて 驚く。

「…よく 私の家が わかりましたね…。
明花ちゃんから 聞いたんですか?」

「いいえ?」

「え…っ じゃあ どうやって…」

そこまで言うと 梓さんは にたぁ〜と
笑った。

何か よくわからないけど… 
すごい 悪い顔してる… !!!!

背中に 汗をかいた。

あれ? この感じ… どこかで…

懐かしさを感じて  考える。

ああ! そうか!
この 振り回される 感じは…
昔の… 小学生の 明ちゃんだ… !


「結婚式は ごめんなさいね。
今日は その事を謝りに来たのよ?」

突然 梓さんから 話題が 振られた。

「…明花ちゃん 悲しんでましたよ?」

「そうね…」

梓さんは コーヒーを一口 飲んでから
カップを置いた。

「大澤 佳真先生にも… 謝罪に伺ったわ…」

突然の話の飛躍に また驚いた。

「え…? ウチ(実家)に行ったんですか?」

「そうよ。時間が無かったから日帰りでね。」

えっ… 両家の挨拶、渋ってたのに…?

やっぱり
掴めない人だ…! と 戸惑う。


「明花は… 私の生き甲斐なの。
大切なあの人との 大事な子。
結婚に 反対な訳じゃないけど…
寂しくて… 気持ちの整理がつかないの…。」

突然 表情を硬くして梓さんが話し出す。

その沈んだ声のトーンに ドキッとした。

「いつも… 一緒だったの。
構って あげられなかったけど…
悲しい時も 苦しい時も
明花が居てくれたから…頑張れたの…」

梓さんの涙に  言葉を失う。


なんて… 言ったら いいんだろう…。

確かに 梓さんにとったら 大切な1人娘な訳で…
悲しくない訳 ないか…。

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