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主治医との結婚生活

第32章 奏真と義母

「何か… すみません…。」

明花ちゃんを 取っちゃって…


「本当よ!」

梓さんにキッと睨まれ 動揺する。


「ウソ ウソ! 冗談よ(笑)」 

と 笑うが…

こちらとしては 全然笑えない…!


「奏真くんと付き合い出して 明花は笑顔が
増えたわ…!
あなたには 感謝しているの。

あの子の幸せは 私達の願い…。
だから… 結婚式は あの子の父親と
静かに喜びたいの…。
結婚式なんて参列したら 涙腺崩壊して
再起不能のノックアウトになっちゃうから…。」


梓さんの 話を聞きながら
やっぱり… 全然笑えない…! と思う。


「あの…っ
梓さんが 明花ちゃんを大切にしてきた事は…
よく わかりました…。
僕の責任を… 重く受け止めます…。」


何を言っても奪う形になるのなら…
せめて 誠意を見せるしか出来ない…。


「あなた 良い子ね。」


33歳なのに… 子…?! 
梓さんの言葉に 苦笑いする。

…その言葉は 
明花ちゃんに言ってあげて欲しい…


「ここに来たことは 明花には内緒にしてね…? 
勝手な事して!って 怒られちゃうから ☆」




次の日 出勤すると 

何故か明花ちゃんは 物凄く不機嫌だった。


「ど… どうしたの?」

「ご自分の 胸に 手を 当てて 
考えてみられては どうですか…?」

ふいっ と 顔を 背けられる。


ええ〜? 何で?!

困惑していると…


「大澤先生〜 結婚前の 最後の火遊びですか?
川名さんが 可哀想ですよ…!」

同僚の亀井先生が ニヤニヤしながら近づいてきた。

「はぁ?! 何… 何の事?」

「またまた! すっとぼけちゃって!
俺は見ちゃったんですよ?
昨日、川名さん以外の女性とデートしてるのを!」

亀井先生の 言葉に 青ざめる。

「え…っ! 川名さんに 言ったの?!」

「当たり前じゃないですか! 浮気の芽は
早く摘むに こしたことない ですからね!」


「明花ちゃん! 違う…! デートじゃない!」

「何が違うんですか? どこのどなたですか!
そんな… 私に言えない相手とっ…!」 


その後
梓さんとの約束を守りながら 明花ちゃんを 
宥める事は 実に大変だった。

梓さんは 策士なのか?
結婚前に 試されている様だった。

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