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主治医との結婚生活

第7章 奏真の話


お酒を煽って 洗いざらい 今までの思いを 
原田先生にぶつける。

「なんで 明花ちゃんは 僕なんかを… こんな…  好きだなんて 言うんですかねぇ?!」

ゴクゴクとジョッキを一気飲みして、テーブルに
グラスを置くと同時に 思いの丈を吐き出した。

「…飲みたい気分…って、仕事の愚痴かと
思ってたのに… 恋バナなんかい!」

原田先生にスパーンと叩かれ、突っ込まれる。

「めーかちゃんは かわいいんですよ。
めちゃくちゃだけど…」

11歳の明ちゃんを思い出す。

「また 会えたら キスして なんて言うんですよ。  8歳も年下のクセに…!…本当に再会するなんて…。
益々可愛くなってやがって… 
しかも好きだなんて…」

顔を覆って喚いた。

原田先生は ひいていた…

「ふーん。モテ男が結婚できないのは メーカチャンが原因なんだ〜」

向かい側に座った原田先生は肘をついて
31歳独身男の未婚分析を始める。

「僕なんかと居ても… 幸せになれる訳
ないじゃないか…  8歳も離れてるんだよ? 
めーかちゃんはこれからなんだ…。 
なんで 幸せになって欲しいって気持ちを 
解ってくれないんだろう…」

おいおい と 女々しく 吐き出す。 

自分の 想いを こんなに 語った事はない。

明花ちゃんへの想いで 溢れる…

「なんで 気持ちを 解って貰えないか…って
そりゃあ… 先生がそのめーかチャンを好きだから 
突き離し切れないのが原因でしょうね…。」

原田先生に言われて

心に グッサリ 刃物が刺さった。

「歳の差の問題なの? そんなに重要な事?」

「…当たり前じゃないですか! 僕が大学生の時、
彼女は小学生だったんですよ?!」

「… 昔の事は 知らないけどさ…
先生は なんでそんなに 決めつけてるの?」

決めつけ? 
原田先生の言ってる意味がわからなかった。

「なんでそんなに彼女の気持ちを無視して
決めつけるの? 彼女の気持ちが迷惑な訳じゃない、
寧ろ 好きで 好きで仕方がないんでしょ?」

原田先生の言葉にドキッとする。

「好き… … …です ね… 」

観念した。 

無理矢理に妹だと 思おうとしていた 偽りの自分を 恐る恐る 剥がす。


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