いつかの君に感謝を
第5章 先生の思い、そして診察
「それじゃまず少しだけパジャマ上げてくれる?」
舞はほんの少しだけパジャマを浮かせた。パジャマが浮いた隙間から聴診器を持った玲央の手が中に入ってきた。
「深呼吸して……心臓に痛みとかはない?」
舞は恥ずかしさと緊張から顔を背け、小さく頷いた。
「胸の音は問題ないかな。でも心電図見てたら脈乱れてる時が多いから少しでも苦しくなったら教えてね?
嫌だと思うけど少し触診だけさせてね、ごめんね」
玲央は聴診器を舞のパジャマから抜くとゴム手袋をはめた自分の手を中に入れ心臓の部分や、手術した部分に腫れがないかなどを確かめた
心臓がある部分の胸を優しく押していくとある一点で舞はビクッと動いた。その場所は他の場所よりも少し熱を持ってい、少しだけだが腫れも確認できた。
「ここ痛い?」
舞は顔を逸らして目をつぶったまま首を横に振った。そんな舞の姿を見て玲央は1つため息を吐いた。
「はぁ……。痛いんでしょ?嘘はダメ。もう少しだけ診させて」
そして玲央は他に腫れている場所がないか確認するために腫れていた場所から少し離れた場所までくまなく確認した。
他に腫れている場所は無さそうだな。最後に腫れている範囲だけ確認して終わるか