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幸せな報復

第19章 畑野浩志の観察

「きみぃー 何するのぉー これってりっぱな痴漢よぉー つまり、性犯罪なわけぇ…… チィチチィー まずいねぇ、きみぃ」
 恵美は勝ち誇るように彼の後頭部に向かって大げさに声を張り上げた。動けない浩志はもう完璧、完全なだれにでも卑下される性犯罪者の烙印を恵美に押され、彼は絶望のどん底に落ちていく。
「かわいそう過ぎるわ、浩志くんって、わたしってなんて悪女なの? でも、計画が完遂したら、わたしがやさしく抱きしめてあげるわ、少しの辛抱よぉ」
 彼女の目が涙でうっすら潤んでいた。彼女はこんな破廉恥で最低の計画を立て悲しむどころか、うれし泣きしていたのだ。
「駄目よ、ここで彼に情けを掛けてはいけないわぁ 鬼にならなければぁ」
 急に顔を引き締めた彼女は、メンタルが弱り切った彼の片腕をつまみ上げ、上体をひっくり返し顔を天に向けさせた。彼女は改めて彼の腹の上にミニスカートをはだけさせてまたがり仁王立ちする。下から見上げる浩志にスカートの中をたっぷり見せつけてやる。
「どう? 私のスカートの中を見て欲情しちゃったのぉ? この恥ずかしい変態男、どうなのよぉ?」
 恵美は下から見つめる浩志をにらんだ。
「わたしのパンツを見たいならたっぷり見るといいわ! この恥ずかしい変態男め、こんな恥ずかしい部分を見られるなんてわたしに感謝するといいわぁ」
 彼は恵美に罵倒され罪悪感で目を閉じる。彼女は両腕を胸の前に組み、腹の所にあった足を浩志の耳に移動させて立った。そのまま、両膝を曲げて垂直に上半身を浩志の顔面に向けて下ろしていった。
「浩志くん、わたしは性的な暴行には性的な暴行で対抗する主義なの。きみはレイプって言う性犯罪をわたしにしようとしたのよ」
 恵美は浩志の口の上に股間を着地させた。両腕を胸の前に組んだまま、鼻と口の上にのせた股間を左右、上下に小刻みにこするように移動させた。
「浩志くん、ああぁ- 口をパクパクさせないでぇ そ、そぉ、そんなことをしては駄目よぉー これはりっぱな性犯罪よ。なんてひどいことをするの。きみはどうしょうもない変態ねぇ」
 浩志の目から涙が流れていた。

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