幸せな報復
第15章 接近する恵美
「もっと吸ってください。知ってます。つまり、これが目的でわたしをこの家に誘導したのですか?」
背中の肉に歯を当てて話す恵美の声がくぐもって聞こえた。恵美の右手が下がり始め、勘太郎の腹まで静かにゆっくり降りてきた。勘太郎の体に恐怖が走った。あの電車の中と同じ状況をとっさに感じた。しかし、あのときは勘太郎が彼女に触れ痴漢をした。今は状況が逆だ。
恵美の手が勘太郎の分身の上に到達した。静かにゆっくり彼女の手のひらが数センチ間隔で上下に動き始めた。体調の悪かったはずの勘太郎の分身はみるみるうちに回復してきてそれ以上に活力を得ていく。
「お父さん、レジ袋が重いです。腕が限界です。台所に持って行きます。この食材を冷蔵庫にしまわないと……」
勘太郎はその言葉を聞いて今まですべて自分の勘違いだと知り安堵した。
「そうだよね…… 体を心配してきてくれたんだよね、恵美さんは」
「もちろんです。お父さんの食べられる食材も浩志さんから聞いて知っています」
「えぇっ、知ってますって食材だよね……」
勘太郎は、今まで勘違いとはいえ、恵美の大胆な行動のせいで、彼の脳内は上気し心臓は爆発しそうなくらい速くなっていた。恵美の思わせぶりな行動のせいで勘太郎は冷静さをかき乱されてしまっていたが、彼女は勘太郎を痴漢男と知っていて行動しているのではないかと思えてきた。なぜ、彼女がそんなことをする? それは辱めを受けた彼女が自分に復しゅうを開始した、としか考えられなかった。
これは妄想か、現実か、勘太郎は分からなくなっていた。睡眠不足で脳の思考が停止しているようで考えがまとまらない。勘太郎の分身だけが元気に熱を帯びていた。恵美がレジ袋が重いと言いながら手を分身の上で上げたり下げたりして動かしている。それが心地よい。勘太郎はこの状況が夢なのだと思えてきた。睡眠不足の脳が酸素欠乏し、勘太郎の脳は思考を停止していた。彼はこの異常な状況に訳が分からなくなり考えたくなくなっていた。どうせ夢なら恵美に体を任せようとまで考え始めていた。この状態で彼女と体を接しているとまずい。何をするか、分からない。
背中の肉に歯を当てて話す恵美の声がくぐもって聞こえた。恵美の右手が下がり始め、勘太郎の腹まで静かにゆっくり降りてきた。勘太郎の体に恐怖が走った。あの電車の中と同じ状況をとっさに感じた。しかし、あのときは勘太郎が彼女に触れ痴漢をした。今は状況が逆だ。
恵美の手が勘太郎の分身の上に到達した。静かにゆっくり彼女の手のひらが数センチ間隔で上下に動き始めた。体調の悪かったはずの勘太郎の分身はみるみるうちに回復してきてそれ以上に活力を得ていく。
「お父さん、レジ袋が重いです。腕が限界です。台所に持って行きます。この食材を冷蔵庫にしまわないと……」
勘太郎はその言葉を聞いて今まですべて自分の勘違いだと知り安堵した。
「そうだよね…… 体を心配してきてくれたんだよね、恵美さんは」
「もちろんです。お父さんの食べられる食材も浩志さんから聞いて知っています」
「えぇっ、知ってますって食材だよね……」
勘太郎は、今まで勘違いとはいえ、恵美の大胆な行動のせいで、彼の脳内は上気し心臓は爆発しそうなくらい速くなっていた。恵美の思わせぶりな行動のせいで勘太郎は冷静さをかき乱されてしまっていたが、彼女は勘太郎を痴漢男と知っていて行動しているのではないかと思えてきた。なぜ、彼女がそんなことをする? それは辱めを受けた彼女が自分に復しゅうを開始した、としか考えられなかった。
これは妄想か、現実か、勘太郎は分からなくなっていた。睡眠不足で脳の思考が停止しているようで考えがまとまらない。勘太郎の分身だけが元気に熱を帯びていた。恵美がレジ袋が重いと言いながら手を分身の上で上げたり下げたりして動かしている。それが心地よい。勘太郎はこの状況が夢なのだと思えてきた。睡眠不足の脳が酸素欠乏し、勘太郎の脳は思考を停止していた。彼はこの異常な状況に訳が分からなくなり考えたくなくなっていた。どうせ夢なら恵美に体を任せようとまで考え始めていた。この状態で彼女と体を接しているとまずい。何をするか、分からない。