無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

　彼女は痴漢にあっていることを忘れ、いつの間にか男の手の動きに身を任せていた。
　男は手にしたネームプレートを胸の前にもってくるため右腕の前腕筋で彼女の乳房を下から無理矢理持ち上げた。
「ううっ」
　気持ちが高まっていた彼女は男の腕で乳房をこすり上げられついに声をもらしてしまった。彼女の膝はすでに脱力していたが周囲の圧力により体はかろうじて立っていた。
　男はネームプレートを得意そうに彼女の目の前で見せた後、自分のワイシャツの胸ポケットにプレートをねじ込んだ。
「いつもはこうしてポケットに入れて乗っていたんですけどうっかり忘れてしまいました……　申し訳ありませんでした……　あ、あっあーー」
　男は変な声を上げた。彼女は最後の「あ、あっあー」に嫌な予感を抱いた。
　次の瞬間、彼女は思わず目を見開いた。彼女は男の肩あたりに顔を向けていたが、また、男の様子がおかしいのだ。男が変にそわそわと落ち着きなさそうな目をしている。彼女はまた嫌な予感を抱くと同時に、変な予感が湧き上がり呼吸が乱れてきた。
「今度は何？」
　彼女が心中で思った次の瞬間、男が彼女の髪の匂いを嗅ぐかのように頭を下げてきたのだ。男の鼻からはく息が彼女の首筋に当たった。彼女はゾクゾクと体に電流が走った。「ううぅっ、」とくぐもった声が彼女の口から出てしまった。高まっていた気持ちがようやく落ち着いてきたところだった。
「もー　あたしにもう関わらないで……　変になりそう……」
　彼女はそう思いながら男の顔を見つめた。すると、「すみません、ネームプレートを取ることに気を取られ、うっかり握っていたカバンを落としてしまいました。ほんと、ドジですみません。カバンが足のすねあたりにあるみたいです……」
　そう説明するたびに男のはく息が彼女の首筋に掛かってくる。彼女の全身に電流が走り快感が中心に集中する。意識が遠のきそうになった彼女は条件反射のごとく上半身をすぼめようとしたが周囲に体を固定されて動かせなかった。
「だめよ……　だめ……」