
毎日がらぶえっち♡〜年下ダンナ様と、溺愛家族計画
第14章 妊婦さんになったよ
「それじゃ、行ってくるねー」
「いってらっしゃい、慎吾くん。
…あれっ」
一緒に朝ごはんを食べて、慎吾くんの出勤時間になり、玄関まで見送ろうとした時だ。
足場でピカッと光ったものが見えたのだ。
「これ、私のケータイだぁ」
「あーホントだ!
あ、俺のスマホもこんな所に置きっぱなしにしてる」
…昨夜は玄関であんな事があったから、ケータイの事なんてすっかり頭から消えていた。
私が掛けていた電話に出ないまま帰って来た慎吾くんの顔、忘れられないな…。
私の事を心配して迎えに来てくれたのに、その私が違う人に送られて帰ったんだから、嫌な思いしたよね。
「……はい、慎吾くん」
ふたつのケータイを拾うと、ひとつを慎吾くんに手渡した。
「サンキュー。
ん、着信だ」
「あ…私が電話かけちゃったから…」
先に帰った私からの電話に出なかったのは、それくらいツラかったからなんだと思う。
誤解は解けたけど、早く忘れてしまいたいなぁ…。
「………」
「慎吾くん…?」
「あ、何でもないっ
じゃあね」
「うん、お仕事頑張って」
ケータイをポケットに入れた慎吾くんは、いつもの笑顔で玄関を出た。
…よかった。
きっと、慎吾くんも忘れようとしてくれてるね。
