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毎日がらぶえっち♡〜年下ダンナ様と、溺愛家族計画

第28章 奇跡を信じてみるよ

「藤村には、感謝してるよ。
俺の為に何回も来てくれて、お金もかけさせて。
本当、頭が上がらない」

「明日は行けないよ。
仕事ズル休みしてまで美容院なんて、あたしには何のメリットもないもん」

「わかってるよ。
でもそれでいいんだ。俺が欲しいレベルアップは、そういうんじゃないから」


俺はそっと藤村の肩から手を離すと、玄関のドアを開けた。
帰らなきゃ…ひなが待ってる!


「ノルマ達成できなくていいの!?」

「………」

「もし気が変わったら、今日中に連絡くれたら明日行くから!」

「ありがとう。
でも俺、連絡はしないよ」

「慎吾クン!」

「藤村も気が向いたら、来月からも時々来てくれな。
俺いつでも予約受け付けてるから」

「慎…」


パタン
ドアを閉めると藤村の声は届かなくなった。


「………」

明日はせっかくのふたりの誕生日なのに、俺のレベルアップは報告できないかもしれない。

情けない。
どんなに年下でも、どんなにキャリア不足でも、ひなを守っていく自信はあったのに。

「……………ぐっ…」


藤村の家の前で俺は、しばらく拳を握りしめたまま立ち尽くしていた。




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