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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第2章 旧市街地の戦い


ジェイムズも下から見上げていたが今からでは辿り着きそうにも無い高度であった


「ラーズ!ヤバイぞッ?取り囲まれて狙い撃ちされちまうッ!?」


敵のフリューゲルは踏み台にされないよう距離をとりながら狙撃し始め、少女を乗せたラーズ機は下降しながらライフルで迎え撃つ
だがそれは長くは続きそうになさそうだ


それはラーズ機に乗っている少女にも、下から眺めることしか出来なかったジェイムズにも最悪の結末を想像させる状況であった


空中戦でのモビルスーツは非力だ


フリューゲルシリーズの運用の強みを実感する


誰しもジムⅢが集中砲火を浴びる覚悟をしていたとき、さらに上空から凄まじいスピードで接近する機体が現れた!


少女の目の前のディスプレイにはグリーンのアイコンが表示される
味方機だ!


それは地球連邦軍と合同作戦を展開していた増援部隊〈ゾーナタ部隊〉のフリューゲル機であった


ラーズ機を取り囲んでいた数機の敵は回避運動ご遅れたものから順に迎撃されていく


少女のコックピットに若い少年のような声が入ってくる


「そのジムⅢッ! 乗れッ!!」



高位置からまっすぐ下降してきたゾーナタ部隊はジムⅢに最接近し、少女もそのタイミングに合わせてひらりと機体を反らせ、友軍の機体に掴まった



あっという間の出来事であった



あとは後続する友軍のフリューゲル機が続々と下降してきて、敵を散開させる


だが不意打ちは一度きりなのだ


ゾーナタからの増援部隊は早い判断で戦場から離脱し、被外を最小限度に留めることに成功したのだった




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