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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第5章 ハルフォード提督と5人の将軍


そのやりとりが終わった直後、周囲に散開していた僚機から通信が飛び込んできた


「ジェフリー副長!敵だ、ブルガリア側の連邦軍フリューゲル部隊だ、あいつらもコイツを嗅ぎつけてきたようだぜッ!?」


「オーロラ、迎撃させます!」


「部隊は各個連邦軍を迎撃、新型機の私とジェフリー副長はコイツの記録をとる
 成果をあげてこい」


量産機の〈クラング・ハイノート〉を駆るパイロットたちはすぐさま敵の連邦軍の軍勢に立ち向かっていった


「ジェフリー、今度は下から攻めてみるのでしっかり記録しろ」


「わかりました」


隊長機と副長機の2機は戦闘には参加せず飛翔物の不思議な調査を繰り返していった


これが艦であれば最下層に格納庫などが配置されている筈だ
どこかバリアの隙間が無いのか、確認していく


オーロラ機はビームライフルを手にするとエネルギーを最小限に絞って飛び抜けながらに数発打ち込んていくが、やはり損傷を与えられないままだ


「次は後部の噴射口のほうにまわる」


隊長機のあとを追うようにジェフリーも続く


だがどこも状況は変わらず、この巨大な飛翔物は見えない何かで覆われているようだ


「何なんです、これは?」


「私も詳しくは聞かされていない、だが提督はこの存在を知っていたようね
 コイツの確保を厳命されているの」


「質量バズーカでも持ってきますか、いやそれも同じことでしょう、このバリアを何とかしなければ」


二人が手を出しかねているうちに連邦軍との交戦が始まっていた


ブルガリアの連邦軍とトルコのゼントリックス軍

フリューゲル同士の空中戦

友軍は健闘してこちらに近付けさせない

ゼントリックス軍〈サッドウィング隊〉のほうが数で圧倒していた


たがそのときオーロラから声がかかった


「ジェフリー、下から上がってくるあの機体を記録しろ」


「え?」


航空兵器たちの空戦の中にひとつ、地上からどんどん垂直に上がってくる機体は地上用のモビルスーツだった


「ジムⅢ!? どうして空中戦を?」


背中のスラスターを限界まで噴射して高度までジャンプを繰り返してこの飛翔物の近くまで辿り着こうとしていた


オーロラ隊長はそんな周りの戦況など気にせず再び機雷を投げ放っていった


すると今まで違う反応に気がついた


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