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クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜

第1章 サニービーチ


ブルガリア共和国、バルカン半島から黒海に沿って隣接する中東の国トルコ共和国


そこの沿岸部を拠点としたローカルな地域の軍隊があった

企業連合トランキュリティは様々な軍隊や組織から成る連合軍だ


地球連邦政府に対抗するための連合だが、横のつながりは希薄だ


そのトラキュリティの軍事工場がトルコの沿岸部に存在した


それらを警備しているのがハルフォード提督率いる〈ゼントリックス軍〉だ



好戦的な戦闘スタイルを得意として有名な名将ハルフォード提督


本来仲間うちとも言えるグリメット軍とゼントリックス軍だが、過去に連邦軍と三つ巴の戦闘になったことをスティーブは思い出した


「あれには参りましたからねぇ……

 背中を狙われたようなもんです」



「お察ししますよ、彼は強欲です
 あなたたちだけでなく最近はブルガリア近海にまでちょっかいを出されていましてね…

 相手が相手だけに頭を悩ましています」



「お互い眼の上のタンコブのようですね

 それで情報提供のご協力を…?」



「義娘さんのことだけではありません

 実は技術者スジの噂バナシなのですが、彼は大きな玩具に夢中なのだそうで……」


「……イヤな噂ですな、やり合う理由ばかりだ
 どうやら御膳立てされていたようだ」


「期待していますよスティーブ、私はあなたを支援します、お互いの利益のため問題は早急につぶしておきましょう」


スティーブ・グリメットは深いため息をついた


「ああ、それと今夜にでも提督の軍が黒海で演習をおこなうそうで」


「ッ! それを先に言って下さいッ!!
 サニービーチには妻も娘たちも居てるんですからッ!失礼しますよ」


スティーブは立ち上がった


「ご武運を、スティーブ・グリメット」


アレックスも立ち上がり彼を見送った






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