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第2章 【第一章】彼女

「美里っ……」


 するとゾンビたちが唸りながら、僕たちの方に集まってきた。


「なんだよ、こいつらっ……。逃げるぞ!」


 僕はうずくまる美里の腕を引っ張り、遊園地の敷地内へ走った。そしてとりあえず建物の中に入って避難する。


「はあはあっ……」


 そこはフードコートやお土産が売っている建物だった。
 客と店員が何事かと、僕たちを見ている。


「すみません、怪我人です! 手当てをお願いします!」

「はっ、はい!」


 店員は美里の姿を見て、慌てて医務室に案内してくれた。


「大丈夫か、美里!」

「……顔が……顔が……」

「……っ……」


 美里はうわごとのように、それしか言わなかった。医務室に入ると、美里だけ奥へと案内されて、僕は廊下のベンチで待つことになった。



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