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第2章 【第一章】彼女

「夢じゃないよ、颯介」

「!?」


 トイレの鏡に、美里の姿が写った。


「……美里っ……」


 美里は綺麗なままの美里だった。
 ちゃんと腕もある。


「美里、無事だったんだな!」


 僕は振り返って、美里を抱きしめた。


「颯介……」


 美里の体温が伝わってくる。
 夢だと思ったのに、こんなにもはっきりと温もりを感じるなんて……。


「……ねえ、颯介。私……綺麗?」


 僕は美里の顔を見つめた。
 パチッとした瞳に、長いまつ毛。スッとした鼻筋に、ぷっくりした唇。傷一つない、綺麗な顔だ。


「ああ、綺麗だよ。君はこの世で一番美しい」


 我ながらくさい台詞を吐いてしまった。
 でもいいんだ、本当のことだから。


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