テキストサイズ

メダイユ国物語

第6章 小さな慰み者

 腰の動きを止めたパウラは少年の胸元に両手を付き、抵抗することなくそのまま彼の身体に身を重ねる。少年の体温のと、そして激しく脈打つ鼓動が全身に伝わってきた。そしてそれは同時に、パウラのそれらも、少年に伝わっていると言うことである。

 ひとつになってる――少年はそう感じていた。そしてパウラもまた、嫌悪しか抱いていなかった男と女が身体を交える行為の、本当の悦びを噛み締めた。

 どちらからともなく、口唇を重ねていた。自然と舌を絡ませていた。

 少年は少女の身体を横にずらす。抱き合ったまま二人は態勢を入れ替え、少年が上になる姿勢となった。

「今度は俺の方が動いてもいい?」

 少年はトロンと潤んだ目で自分を見上げる少女に向かい、そっと囁くように言う。

 無言でコクリと頷くパウラ。

 少年は彼女の身体に体重を掛けないよう注意を払いながら、正常位の姿勢でゆっくりと腰を前後に突き動かした。

(気持ちいい。なんて気持ちいいんだ)

 初めての性交、初めての挿入の感覚を、少年は全身で感じていた。

「んっ、ふぁ……っ。あんっ、んっ」

 すぐに少女の口唇から甘い声が漏れ始める。

 パウラもまた、芽生えたばかりの性的な快感に浸っていた。

「あっ、あっ、あっ、ダメっ……そこっ……」

 彼女の反応に、思わず少年の腰は動きを早める。すると、それに応えるかのように少女の嬌声も激しさを増す。

 初めての行為のため慣れていない少年のぎこちない抽送は、偶然にもパウラの一番敏感な部分を刺激していた。膀胱の裏あたり、複雑な腟内で比較的つるりとした部分を、少年の亀頭は偶然にも圧迫していた。いわゆるGスポット。女性の内性器でも特に敏感と言われている性感帯である。

「あんっ、あん、ああっ、はあ、はあ、あっ」

 パウラの華奢な身体がビクビクと大きく震え、時おりのけぞりいきむ。

 それと同時に腟内もきゅっと締め付けを増し、ヒダが少年の勃起した肉棒にしゃぶりついた。

(ううっ、もう、もう出そう――)

 初めて体験する性行為に、少年は早くも絶頂を迎えようとしていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ