テキストサイズ

時給制ラヴァーズ

第8章 8.ずっともっと

 当初の目的であるご両親との面談は、なんと一回で片がついた。
 さすがに方法は間違っていても息子の幸せを強く願うご両親だけある。
 俺と慶人との間にある空気をすぐに感じ取って、二人が幸せならと驚くほど簡単に認めてくれた。なんなら、そんな相手がいるならもっと早く言えもっと早く会わせろと慶人が叱られていた。
 逆に言うと、『ふり』だけだったらあっさりとバレていたかもしれない。
 あと、寝室の段ボールもしっかり見られたことを付け加えておく。それを予期していた慶人の忠告に従って、チャレンジングなものを買っていなくて良かったと心の底から思った次第。
 そしてそこでも俺の体の負担をちゃんと考えてやれとまた慶人が叱られていた。パワフルパパママに対抗するには、慶人はまだまだお子様らしい。

 そんなわけで、俺と慶人はバイトでの恋人関係を解消し、めでたく本当の恋人同士の同棲を始めることになった。
 とは言っても元からイチャイチャしていたせいで今までと特に変わったことはなく、ネットでの夜のショッピングが実用的になったくらい。

「だから大容量サイズ買っとけば良かったのにー」
「……あの時は、本当に使うつもりなかったんだよ」

 まずはなくなりかけのローションを補充。多めに使った方が体が楽だってことを実際使って知ったから、思った以上に減りが早かったんだ。これならば最初の時に俺が言った通りのものを買っておけば良かったのにとは思ったけど、慶人が照れ臭そうに言うもんだからまあ許してあげよう。
 とりあえずそれをカートに入れ、カチカチと他のページへ移る。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ