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時給制ラヴァーズ

第8章 8.ずっともっと

「あ、俺こういうの試してみたい」
「いらないだろ、別に」
「えーなんで? これ飲むだけでめくるめく情熱の一夜が訪れるって書いてあるのに? あ、それとも慶人はこっちの塗るタイプの方がいい?」
「……お前、そんなのなくても気持ち良すぎて泣いてただろ」

 とりあえず目についたものを指差してみたら、冷たく返された。好きとか言って寝てる相手に対して、クールすぎるのはいかがなものかと思う。ていうか、余計なこと言わないでと一発叩いてやったら、慶人が笑ってまたページを移動した。
 そこで目に留まったのは、俺たちが買ったものより、数段凶悪な形をした大人のオモチャ。もはや鈍器にしか見えないそれは、ここまで来ると、一体なにが目的なのかわからない程だ。

「うわ、これ前に見たのよりエグイ。でも慶人って意外とこういうの好きそう。むっつりだもんね」
「……」

 そう言えば、初めて発情したのはこういうオモチャを使っている時だったっけ。あんな可愛らしいものであんな状態になったんだったら、これとか買ったらどうなっちゃうんだろうと笑いながら次に行ってもらおうとしたら、カチリ、と一つだけのクリック音が響いた。

「ちょっと!? 今カートに入れたでしょ! なんでそういうことすんの?!」
「お前がむかつくこと言ったから」
「うーわーなにそのガキっぽい理由!」

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